現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

ぬか漬けPhoto: Adobe Stock

腸の悪玉菌が増えるとアンモニアが発生する

腸には細菌が1000種類、数にすると100兆個もいることがわかっています。そしてその大量の菌は毎日死んだり増えたりして、腸内フローラを維持しています。便の中身はおよそ60%が水分、腸壁細胞の死骸が10~15%、腸内細菌の死骸が10~15%含まれています。そして残りの5%が食べたものの残りカス。さらに体内で解毒された物質や、排出すべき毒素も含まれています。

腸内細菌は善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種類に分類できます。腸内を理想的な環境に整えるのが善玉菌、腸内環境を悪くするのが悪玉菌。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の情勢をうかがって、善玉菌が優勢になると善玉菌の味方になり、悪玉菌が増えると悪玉菌に味方をするという風見鶏のような菌です。

善玉菌を増やすカギは発酵食品

悪玉菌は腸内で有害物質を作り出したり、下痢や便秘を起こすなどの悪さをしますが、脳の毒との関連でいうと、アンモニアを発生して腸の細胞を傷つけることがもっとも気がかりです。

腸内環境をよくするには、善玉菌を増やすことが大切。善玉菌が増えれば日和見菌が加勢して、悪玉菌の勢力が弱まります。そのためには善玉菌の素を腸に送り込むことが重要です。善玉菌の素とは、みそやぬか漬けに代表される発酵食品です。発酵食品を食べることで善玉菌が増えると腸内が酸性に保たれて、悪玉菌が増えるのを抑え込み、食中毒菌や病原菌を排除し、発がん性のある腐敗物ができないようにします。食べもので送り込まれた善玉菌は、腸に定住しにくいので毎日、少しずつでも発酵食品をとるのが理想です。

そして善玉菌の素とともに善玉菌のえさになるオリゴ糖や食物繊維をとることも必要です。オリゴ糖は大豆、玉ねぎ、長ねぎ、ごぼう、アスパラガス、にんにく、バナナなどに含まれています。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
発酵食品が脳も救う!やっぱり腸が大事なワケ

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。