現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

サラダ 食べるPhoto: Adobe Stock

脳の毒は食べもので出せる!

私たちが生活環境や食べものを通して、日々、体内に毒を取り込んでいることはすでに書いた通りです。現代人は脳も体も毒まみれなのかと落胆させてしまったかもしれませんね。

しかし、溜め込んだ毒は食べもので排出できます。どうぞ安心してください。

脳と体に溜まった水銀やカドミウム、ヒ素、鉛などを解毒すること、体内で過剰に発生した悪玉の活性酸素を抗酸化力で無毒化することも可能です。

また、加工食品には栄養成分が表示されていますし、栄養成分表などで調べると個々の食べものの栄養成分がわかりますが、体内ですべてが吸収されるわけではありません。たとえば、80グラムのたんぱく質を含む肉と20グラムのビタミンCを含む野菜を食べたとします。私たちはそのすべてを体に取り込んだと思い込みがちですが、実際には完全に吸収できているわけではありません。たんぱく質を80グラムとビタミンCを20グラム食べても、体内に取り込まれるのは80グラム未満のたんぱく質と、20グラム未満のビタミンCです。

毒出し効果のある食べものを
毎日、何かしら食べよう

これを何グラム食べると、毒が何%出ると示せるとよいのですが、人の体はとても複雑で、それを示すのは難しいところです。体格は人それぞれですし、同じ量を食べても胃腸の健康具合によって栄養を吸収できる割合は変わってきます。

患者さんからもどのくらいの量を食べたらいいですかとよく質問を受けますが、お腹が満足したらそれでけっこうですとお答えしています。大切なことは毒出し効果のある食べものを毎日、何かしら食べることです。毒は毎日、体内に侵入してきます。せめてその日に取り込んだ分だけでもその日に解毒したいものです。

解毒作用のある野菜や果物は、毒素を細胞から引きはがしてくれます。はがれた毒素は便、尿、汗の毒出しルートを通じて体外に排出されます。難しいことを考えずとも、食べるだけで毒を出してくれますから、毎日の食事にふんだんに取り入れてください。解毒を目的とするので、農薬不使用のものが理想です。家庭菜園やベランダガーデンなどで育ててみるのもいいですね。

腸を整えて、
便として排出しよう

脳の毒をスムーズに出すには、腸を健康な状態に整えて、便通をよくする必要があります。お腹が張るほどの便秘をすると、便が腸内にとどまっている間に、便の中の毒が再び放出されて、体に再吸収されてしまう危険があります。

また、腸内環境が乱れて腸内に悪玉菌がはびこっていると、有毒ガスが発生します。有毒ガスをおならとして出せればよいのですが、溜まったままになっているとそれもまた体内に吸収されてしまいます。

活性酸素を無害化する
抗酸化作用とは?

私たちが酸素を吸えば、必ず体内で活性酸素が発生します。活性酸素は老化を早めたり、がん細胞を増やしたり、血管を傷つけたりする毒ですから、できる限りケアすることが重要です。そこで、

「活性酸素の働きを抑える」
「活性酸素が酸化するのを抑える」
「活性酸素によって損壊した細胞を修復する」

という、これら3つの働きをする抗酸化作用のある食品をとることが不可欠なのです。抗酸化作用のある食品については後日ご紹介します。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
現代人は脳も体も毒まみれ!?<br />脳の毒を出す食事とは?

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。