規制強化に取り組むと
宣言した議員たち

 ホーゲン氏はフェイスブックの一連の問題について、「究極的な責任は創業者のマーク・ザッカーバーグ氏にあります」と言い切った。

「ザッカーバーグ氏は“数字が全て”の組織を作り上げました。そこでは判断は全て数字に支配され、人間の感情はありません。結局はそのような組織を作ったCEOの彼に責任があるのです」

 公聴会の後、民主党のエド・マーキー議員は「ザッカーバーグ氏へのメッセージはこうです。あなたはもう私たちのプライバシーを侵害し、子どもや10代の若者を餌食にし、有害なコンテンツを促進することはできません。議会は行動を起こします」と述べた。

 すると、共和党のジェリー・モラン議員やマーシャ・ブラックバーン議員などもマーキー議員に同調した。気候変動や移民、経済・外交政策など多くの問題で対立することが多い両党の議員が、フェイスブックの問題では意見が合い、協力的になっているのは非常に興味深い。

 フェイスブックへの規制内容がどのようなものになるのかについて詳細な議論は行われなかったが、ホーゲン氏は次のように提案した。

「私はフェイスブックの分割化には反対です。それによって皆さんが関心を持たれている問題は解決しないだろう、と思うからです。フェイスブックとインスタグラムを分割すると、広告収入の大半がインスタグラムに入る可能性があり、それはフェイスブックが問題に対処するためのリソース(資金)が少なくなることを意味します。そうなると、フェイスブックは世界中の生命を危険にさらしているフランケンシュタインであり続けるでしょう」

 つまり、フェイスブックを分割しても、ユーザーに害を与えているアルゴリズムやシステムを変更しない限り、根本的な問題は解決しないだろうということだ。

 代わりにホーゲン氏は、フェイスブックなど大手テクノロジー企業の事業活動や透明性を調査監視し、それに基づいて適切な規制を行う新たな連邦監督機関の設置を提案した。

 出身地アイオワ州でかつてディベートチームのキャプテンを務めた経験があるというホーゲン氏は、公聴会で雄弁さを十分に発揮したようだ。

 消費者保護小委員会の委員長を務めるリチャード・ブルメンソール議員(民主党)は彼女を「雄弁で説得力がある」と表し、「ホーゲン氏が提案した全ての変更事項は真剣に検討する価値があります」と語った。