「Pain or Gain」の問い

 これはマーケティングのときに使う考え方です。

 商品やサービスの基本は、Pain(どんな痛みを取り除くか)か、Gain(どんな効果が得られるか)のどちらかが必ずあるということです。

 Painの代表として、たとえば、がん保険は「がんになったときの治療費をどうしよう?」という不安を和らげてくれる商品です。Gainの代表例はいろいろとありますが、食後の脂肪の吸収を抑えるウーロン茶などは、「食後に血糖値が上がることを抑える」という利点を謳った商品です。

 人はPainかGainのいずれかが得られる商品やサービスを購入するのです。

 想定される顧客がどんな人であれ、必ず「この商品はどちらの売りがあるのか?」を見極めて、ストーリーをつくることが望ましいと言えます。そうでなければ、顧客は「何のための商品」なのかがわからず、結果、商品も売れないでしょう。

 たとえば、枕であっても、ただやわらかい、堅い、というよりも、「睡眠不足が解消される枕です」などと具体的な効果があったほうがわかりやすくなります。

「この商品の売りは、PainかGainか?」
「この商品は、顧客のどんな問題を解決するか?」
「この商品は、顧客にとってどんなプラスになるか?」

 こんな問いを立てながら、自分がお客さんだったら、どんなものがほしいのかを考えていきましょう。すると、売れる商品のアイデアやマーケティングの訴求の仕方など、質の高い考えが出てきます。

「フレームワーク思考」で問う

 最後にご紹介するのは、「フレームワーク」です。

 考えてみれば、「フレームワーク」は、そのまま問いのかたちにすることができます。

 戦略立案によく使われる「3C」なら、「顧客はどうか?」「競合はどうか?」「自社はどうか?」という問いになりますし、マーケティングに使われる「4P」なら、「製品は?」「価格は?」「流通は?」「プロモーションは?」という問いになります。

 フレームワーク思考の良い点は、MECE(ミーシー)(漏れがなくダブリがないこと)になること、そして、効率的に問いを立てていけることです。

 目的に合わせて、フレームワークを用いながら問いを立ててみるのも一つの方法だと思います。