マッキンゼーで叩き込まれた「問い」の力Photo:PIXTA

元マッキンゼーで、現在は経営者へのエグゼクティブコーチング、人材戦略コンサルティングを行う大嶋祥誉氏が、新刊書『マッキンゼーで叩き込まれた「問い」の力』を上梓。本書からの抜粋で、状況を突破するための最強の問題解決法「問い」思考について紹介していく。

「問い」で脳を最適に動かす

 さて、今回は少し「思考」と「仕事の流れ」について、説明しておきたいと思います。仕事は、まさに「思考そのもの」です。何かを決めたり、どのように進めるかを考えたりと、常に「考える」という作業が必要となります。

 このとき思考は、「拡散」と「収束」を繰り返します。

「拡散」とは、いろいろな論点や意見、アイデアが出て、議論が広がっている状態。ある一つの論点や意見などに絞り込んでさらに深掘りしている状態が「収束」です。

 たとえば、アイデアや方法を考えたりするときは、思考を「拡散」させて、発想を広げていきます。そして、実際に何かを決めるときは、思考を「収束」させていきます。

「脳」を意識的に拡散・収束させるために「問い」は有効なツールです。

 前回説明した3ステップも、「拡散」させる問いと「収束」させる問いを使い分けながら、進めていきます。その方法をいくつかご紹介していきましょう。