――行政書士事務所を営みながら、2019年に旅行会社を立ち上げたそうですね。その経緯は?
柴田 青森県出身の妻の家族や知人から、「青森に外国人観光客を呼べないか」と相談されたことがきっかけです。
私は大学時代、米国に留学していて、英語が得意だったことから、行政書士の業務でも、在留資格の申請や起業関係の許認可などで外国人のお客さまと日常的に接していました。また、その関係で旅行業務取扱管理者の資格を持っていたことから、声がかかったのです。
その要望に応えようと、行政書士事務所を営む傍ら、青森をはじめとした東北方面の旅行を中心に手がける旅行会社を、妻と2人で立ち上げました。
――今のコロナ禍、旅行業はなかなか大変なのでは?
柴田 はい、さすがに厳しいですね。そこで現在は、「商品の流通によって、青森の力になろう」と、青森の名産品の販売に力を入れています。
第1弾として選んだのが、「リンゴジュース」です。実は、妻の青森の実家がリンゴ園を営んでいまして、以前から義母が家族のために、木の上でじっくり育てた完熟リンゴを使ったジュースを作っていました。私も毎年飲んでいて、市販品が買いたくなくなるほどおいしかったのです。これなら県外や外国人のお客さまにも間違いなく喜ばれると考え、起業当初から販売しています。
――どのような商品なのですか?
柴田 二つの種類があります。一つは「前途洋々」(720ml入り3本セット)です。同じリンゴ園で、同じ年に収穫された、同じ品種のリンゴを使っているのですが、2週間ずつ収穫時期をずらしているので、3本それぞれの味が違うという希少なジュースです。
最も収穫時期が早い1本目の「前」はさっぱりしていて酸味が強いのに対し、2本目の「途」、3本目の「洋々」と、だんだんに熟成し、甘味が増していきます。
その変遷を、人生の「成熟」「発展」「躍進」になぞらえて、飲んだ方に前途洋々な人生を歩んでいただきたいという気持ちを込めています。
もう一つは「フレフレリンゴ」(1L入り1300円)です。リンゴ園を営む義母が「受験勉強で頑張っている孫を応援したい」と言ったことをヒントに、「木から落ちていない」完熟リンゴのみで作った、応援をテーマにした縁起物のジュースです。