目下の天然ガス価格の高騰は、この冬の電気代や暖房代が高くなることを意味する。来年には、食費や車のガソリン代が高くなるかもしれない。欧州の天然ガス価格は前年の6倍近くまで上昇し、ノルウェーのヤラからドイツのBASF、オーストリアのボレアリスに至るまで、肥料会社が天然ガス高騰を理由に減産を発表している。CMEグループによると、欧州の肥料生産量は、供給不足のために40%も減少している。米農務省の推計では、さまざまな肥料の主成分であるアンモニアの製造コストのうち、天然ガスが占める割合は最大で85%にも上る。さらに難点となるのは、肥料工場の副産物である二酸化炭素(CO2)だ。このCO2は飲料の炭酸化や食品の鮮度保持、食肉処理する前に鶏や豚を失神させるのに用いられ、食品産業にとって極めて重要だ。先月には事態が深刻と見受けられ、一部工場を閉鎖していた肥料メーカーのCFインダストリーズに対し、食糧供給を脅かさないよう英政府が補助金を出したほどだ。
天然ガス急騰の衝撃、食事やガソリンにも連鎖か
来年の値上がり見込まれる品目も
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