全国のビジネスパーソンの皆さん、こんにちは。突然、企業のウェブ担当、PR担当になってしまった皆さんに毎回ティップスを提供して来たこの連載、今回が最終回ということで、嶋の前に連載を持っていた元「広告批評」編集長で今は銀河ライター、大学講師として活躍している河尻亨一さんと、企業がウェブとどう付き合うかという大きなテーマで対談をしてみました。

企業はいじられ慣れてない?

嶋浩一郎
クリエイティブディレクター・編集者・博報堂ケトル代表取締役社長

  この連載で伝えたかったことの一つは、「企業はいじられ上手になりましょう」ということなんです。インターネットのPR(コミュニケーション)は、双方向に盛り上がれる要素がどこかしらに入ってないとワークしないのですが、いじられることに慣れてない企業担当者が多い気がします。特に、エスタブリッシュな業界の皆さん。たとえば、新聞社のネットニュースにはコメント欄がないでしょ。アメーバやライブドアでは普通のサービスなのに。これって、きっと新聞社のみなさんがいじられ慣れてないからなんじゃないかと。

河尻 「ツッコまれてなんぼ」の部分はあるでしょうね。逆に言うとそのツボを体得すればトクすることも多いというか、何かあったときにもフレキシブルに対応できそうです。でも、ネットが普及してかなり経つのに、企業のコミュニケーションがそうなってないとすれば、いわゆる“一方通行”と“双方向”の発想の違いが相当大きいということでしょうか?

  オープンな場でのプレゼンに慣れてない感じがしますね。雑誌編集者は、じつはネットニュースを書くのが苦手です。雑誌はクローズドな市場が相手ですから、ターゲットだけが理解する専門用語をどんどん使っていい。逆に、そのターゲットだけがわかる言葉を使える編集者の方が能力が高いと見なされるんです。「モテカワ」とか、「一週間コーデ」とかそういう言葉が次々生まれる。でもネットだとこれらの言葉をつかうとヘタすると炎上です。「セレブ藁!」って。ゲーム業界でコンソール用のゲームを作って来た人が、ソーシャルゲームの文脈になかなか慣れないのも同じような現象なのではないかと思っています。