オーケーが関西スーパーに買収提案
ディスカウント業態の消耗戦が始まる
食品DSといえば、オーケー(神奈川県横浜市)の存在を忘れてはならない。足元で、オーケーは関西に拠点を置く「関西スーパーマーケット」に買収提案をしている。
なぜ関東のオーケーが関西スーパーなのか。地域も離れているし、両者は業態が違いすぎる。どちらかというと、関西スーパーは正統派のスーパーマーケットで、オーケーはディスカウント型のスーパーマーケットだ。仮に、オーケーが買収に成功したとしても、スケールメリットが発揮できるかどうかは疑問だ。
イオンのDS業態のスーパー「パレッテ」の動きも注目だ。気が付けば、1年の間に3店をオープンしている。イオンのDS業態なら「ザ・ビッグ」や「ビッグ・エー」もある。「新しい酒は新しい革袋で」ということで、パレッテはイオンらしさをなくす実験なのだろうか。
食品スーパーでディスカウント業態の開発が相次ぐ今日。確かに言えるのは、流通各社が「財布のひもが固くなる」とにらんでいることだ。
コロナ禍明けはどこか浮いた高揚感があるかもしれないが、長続きしないだろう。そんな状態を見越して、DS業態も百花繚乱となっている。
はたして、どこが消え、どこが生き残るのか。“低価格戦争”で消耗し、何とか耐えきった企業だけが残るのだろう。ならば強靭な体質を築いたスーパーの勝ちか…。