「毎日安売り」のスーパーが増えている
「毎日安売り」のスーパーが増えている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「本日特売日!」というのぼりを最近、スーパー店頭などでみかけなくなった。そういえば新聞の折り込みチラシもめっきり減った。「最近のスーパーは安売りをしていないのか」。そんな疑問を抱く向きもあるとみられるが、どっこいスーパーの安売りは健在だ。現在のスーパーなど小売りの業態では特売を減らし、新しいタイプの安売り戦略を展開しているところが増えているからだ。スーパーから特売の2文字をなくす、その安売り戦略の破壊力とは――。(流通ジャーナリスト 森山真二)

新聞の発行部数が減って
折り込みチラシも減っている

「あら、こっちのスーパーの方が10円安いじゃない」「いやいや、まいったなぁ。Aというスーパーがオープン特売だって」。なんて新聞の折り込みチラシを穴があくほど見つめながら、独り言を話している主婦は今や少数派だろう。

 そもそも新聞の発行部数が減って、それに連動して折り込みチラシも減っている。電通の日本の広告費によると、いわゆるチラシが中心の「折込広告」の市場規模は2007年に6549億円だったが、18年には3911億円となった。この十数年で4割も市場が縮小している。

 スマートフォンが急速に普及し、新聞を宅配で購読している層が減っている上、これまでチラシで把握していた商品の特売情報や店舗の必要な情報は、スマホでチェックすればよくなっていることは周知の通り。

 ある流通コンサルタントは「そもそもスーパーがチラシをまいて安売りで集客したって、売り上げが上がる時代ではない」と切り捨てる。

 それは、どういうことか――。

 最近ではドラッグストアが急激に増えている。食品で採算が合うのかというくらい激安価格を設定、それで顧客を集め化粧品や、医薬品の販売につなげるという戦略をとっており、真正面からスーパーと競合するようになっている。

 しかも、チラシ特売の対象になりやすい醤油(しょうゆ)や砂糖など家庭在庫となってあふれている消費者も多い。