歳を重ねた女性には、太るメリットもある

 ただ、太ったことに気が付きながらも問題として捉えていなかったのには別の理由もありました。「以前、ミラノの女性を取材したときに、年を重ねてもバーンとデコルテを出している姿がかっこいいな、って思ったんです。あれって、痩せていたらできない。ふくよかだからできることもあるし、シワが目立たない、肌がきれいに見えるというメリットも。年を重ねたらみんな多少なりとも太るもの。そうなったらなったで良いこともあるんだろうなとも思っていた」と笑顔で答えます。

 それでも、今、以前の体重に戻って「やっぱり良かった」と思うのは「好きで買った服がまた着られるようになったから」。とはいえ、太ったことをネガティブに捉えていなかったので、体重増加はゆるゆると続き、ようやくその数値が止まったのはコロナによって生活が変わったときでした。

お酒を飲まなければ太らない

「絶対的に効いたのは、週5日くらいあった会食がゼロになったこと。最初は家でワインやビールを少し飲んでいたけれど、それも完全にやめたのは大きかったかな。お酒を飲まなければおつまみも食べないものね」

 そして、会食が復活した今も「飲まない」選択をしているといいます。

「無理強いしない世の中になったし、“飲まない選択”を理解してもらえるのは大きいですよね」

 とはいえ、職場やコミュニティによっては、飲まないことに否定的なケースもあります。そんなときにも飲まないでいられる秘訣は、角を立てないよう、最初の1杯は断らずにお酒をもらっておくこと。「その後飲まない分には誰も気にしないので、しばらくたって別にソフトドリンクを頼んでいます」。