米連邦政府によるメタン規制の強化は、環境保護団体、石油メジャー、そして石油関連のロビー団体トップの認識が一致する数少ない分野の一つだろう。そのため、ジョー・バイデン大統領にとって、同法案は確実に決まるスラムダンクのようなものだ。米環境保護局(EPA)は2日、メタン規制の強化を発表した。既存の油田・ガス田での排出に対する初の規制を目指すほか、新規の油田・ガス田に対してもより厳しい要件を課す。EPAはこの規則によって、対象となる排出源からのメタン排出量が2005年比で74%削減できるとみている。メタンは、油井やガス井はもちろん、タンクやパイプなどの設備からも発生しやすい。地球温暖化の最大の原因は二酸化炭素(CO2)だが、メタンは一段と強力で、約85倍の熱を閉じ込める。現在、メタンガスの漏れを監視・抑制するための設備が整っていることを考えると、この動きは環境面のメリットが大きい。天然ガス生産者にとっては経済的にも理にかなう。というのも、メタンの漏れが多ければ商品の販売量が減るからだ。
米メタン規制、バイデン氏のスラムダンク
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