うまくいってそうに見える人でも、
案外と人一倍苦労していることも

事前に準備すべきは「その場にふさわしい自分」という「着せ替えの仮面」Photo: Adobe Stock

 会社でいつもニコニコしている人が、本当は家ではとても暗いかもしれません。実際、何があっても何を言われても穏やかそうなお医者さんが、家に帰った途端に仕事の不満を怒鳴りながら酒をあおっていることだってあります。

 それだけ皆、努力して世の中に合わせているのですが、深く考えずに嫉妬する人は、そのことをあまり考えていない場合が多いのです。

 たとえば、あなたは理不尽な課長と折り合いが悪く、会社に行くのが苦痛で仕方がないとしましょう。なのに隣にいる社員は、ニコニコしながら、「はい、わかりました。なるべく早く仕上げます」などと気持ちよく即答をしています。

「ああいうポジティブな人はいいなぁ。自分もこの人みたいにポジティブなら人生ラクなんだろうなぁ」と、羨ましく感じるかもしれません。

 しかし、心の底からのポジティブさでそう振る舞っているかはわかりません。

 実際のところは「あー、毎日なんなんだこの上司は? 上司なら部下がもっと気持ちよく働ける職場環境を考えるのが仕事だろ! まあ、そんなこと言ったって、あの上司じゃ仕方ないか……」と、こんな考えを胸に秘めながら、表面上は穏やかな笑顔なのかもしれません。

 うまくいっている人を見れば羨ましく思いますが、内実を聞けば、案外と人一倍苦労しているということは、よくあります。