欠点を「直そう」から
「マシに見える」ようにする小細工のススメ

 この世に欠点のない人間は存在しません。そもそも欠点をなくす努力というのは、かなり難しい目標というか不可能です。

 いくら自分の欠点がいやだからといって、それを修正しようと努力しても完璧に消すことはあり得ません。

 だからお勧めしたいのは、「欠点が目立たないように、マシに見える小細工をする(仮面を被る)」ことです。小細工でいいなら、完全に直すよりも少しは簡単だと思いませんか?

 むろん「小細工」という言い方をすると、根本的な解決になっていないのではないかと感じる人もいるでしょう。

 たとえば短気な性格で、気に入らないことを言われたら、ついカッとなって、相手に怒鳴ってしまうような人がいたとします。当然ながら、あんまり好かれる人にはなりませんね。

 そんな方に必要なのは、たとえば数秒だけ黙って怒りのピークを逃がし、なんとか、短気な性格でも周囲に嫌われないような工夫、努力をすることです。

 それができるかどうかで、生きづらさが変わってきます。生きづらさを解消するためのちょっとしたテクニック、小細工を身につけましょう。

 POINT:
 あなたが被れそうな、無理のない仮面を被って、今の生きづらい世の中を生きていく準備をしよう。

事前に準備すべきは「その場にふさわしい自分」という「着せ替えの仮面」バク@精神科医
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。