手っ取り早くお金になる銀行のキャッシュカードやクレジットカードは常に狙われています。クレジットカードの不正利用であれば、補償が利くこともありますが、銀行の通帳やキャッシュカードを取られると犯罪に巻き込まれることもあります。最悪、被害者のつもりが、法律違反で捕まる可能性もあるのです。今回は、そんなカードの現物を奪うタイプの手口を2つ紹介します。(NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事 柳谷智宣)
ケース1:「融資する際の本人確認」という理由で
銀行のキャッシュカードを求められる
お金に困って借金する場合、キャッシングやカードローンで検索すると多数の消費者金融が見つかります。しかし、すでに借金を抱えていたり、ブラックリストに載ったりしていると、大手からは借りられません。さらにいろいろ探していると、「審査なしで10万円貸し出します」といったSNSアカウントが見つかることがあります。
利息は“トイチ”(10日で1割、年利365%以上)のような高いところも、法定利息以下のところもあります。SNSで連絡すると、まずはLINEでつながるように指示されます。LINEで借金をお願いすると、本人確認と融資を振り込むために、銀行のキャッシュカードを送るように言われます。
融資のお金を振り込んだり、利子や元本を返済する際に振り込んだりする際、確かに本人の口座を使えば手数料がかかりません。残高はゼロでもOKです。「通帳と印鑑は手元にあるし、大丈夫だろう」とキャッシュカードを郵送し、暗証番号を教えると、融資が振り込まれる……と思いきや、そこでLINEの連絡が途絶えてしまいます。