売上高を比べてみると……

 林教授は、テーブルに貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書ともう一枚A4の紙を配り、2人の顔を見てこう言った。

林教授 最初にA4の用紙に書かれたA社とB社について、どちらの会社が優れているか、ご意見を聞かせてくれませんか。売上高はA社が100億円で、B社が50億円です。

川村 A社の売上高の規模はB社の2倍ですから、素人はA社と答えるでしょうね。

林教授 つまり、あなたの答えはB社ってことですか?

川村 いえ違いますよ。私は素人ではありません。言いたいのは、この資料だけでは何とも言えないということです。なぜなら、売上高が大きいA社が赤字で、B社が黒字ということもありますから。

林教授 なるほど。ではカノンさんの考えはどうかな?

カノン 私も父と同じ考えです。