山口フィナンシャルグループ(FG)は12月24日、臨時株主総会を開き、前会長兼グループCEOである吉村猛氏の取締役解任を株主に問う。解任の根拠とされるのが、山口FGの調査本部が作成した調査報告書だ。だが、この報告書の問題点を指摘する声が上がっている。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
山口FG社長と銀行頭取が京都“極秘”訪問
取締役会直前、アイフル首脳に「謝罪」のワケ
10月末、山口フィナンシャルグループ(FG)社長兼グループCEO(最高経営責任者)の椋梨敬介氏と山口銀行頭取の神田一成氏の姿が、京都市内にあった。向かった先は消費者金融大手アイフル本社。もちろん個人として金を借りに行ったわけではない。アイフル首脳と面談するためだ。
山口FGの取締役会は11月1日、前会長兼グループCEOである吉村猛氏の取締役解任を問う臨時株主総会の開催に加え、もう一つ重要な決議を行っている。それが新銀行設立に向けた検討の中止だ。
新銀行は「全国区の個人金融専門」の銀行である。アイフルは山口FGと共同出資し、この新銀行検討プロジェクトに参画するはずだった。だが、それを山口FGが一方的に中止することへの釈明が、椋梨氏からアイフル側へ伝えられたもようだ。
だが、そのこと以上に、アイフル側には強い不満を持つ理由があった。それを知っているからこそ、椋梨氏が秘密裏にアイフル本社を訪れたのである。
取締役会決議の直前、椋梨氏らが秘密裏にアイフル本社を訪れた理由とは一体何か。