多くの上場企業で22年3月期の中間決算発表が行われた。DX(デジタルトランスフォーメーション)の需要拡大などを背景に、半導体関連企業や電子部品メーカーの業績が好調だ。一方で、半導体不足の影響がさまざまな領域に波及している。DX加速の恩恵を受ける製品やサービスを手掛けるBtoBメーカーでも、業績予想を下方修正する企業が出てきている。(クリアリーフ総研代表取締役 高橋潤一郎)
半導体・電子部品大手が好調も
市場に広がる「不透明感」の正体
感染再拡大の懸念は残るもののコロナ禍をひとまず脱し、22年3月期の上場企業業績は予想を上方修正する企業が相次いでいる。約7割の企業が最終増益を予想しているというデータもある。
中でも半導体など電子デバイスのメーカーと、半導体製造装置メーカーは好調だ。5G投資の拡大、テレワークやオンライン授業の普及によるパソコン需要の広がり、さらに自動車の電装化などがけん引する。
電子部品大手7社(日本電産、村田製作所、TDK、京セラ、日東電工、アルプスアルパイン、ローム)の9月中間実績は、全て前年同期比2ケタ増収だった。7社とも、通期予想においてもやはり2ケタの伸びを見込む。
半導体製造装置の東京エレクトロン、モーターの日本電産など四半期ベースで過去最高の売上高を更新しているところも少なくない。しかし右肩上がりの話ばかりではない。足元では不安要素が多く出ており、むしろかつてなく市場には不透明感が広がっている。