東芝ロゴPhoto:Diamond

東芝に米ゼネラル・エレクトリック(GE)、米ジョンソン・エンド・ジョンソンが立て続けに会社を分割する計画を発表した。筆者は、この「会社分割」が今後、案外はやるのではないかと思う。しかしそうなれば、分割される会社で働いてきた社員にとっては「残酷な未来」が待っているだろう。コストカットやリストラに対する圧力の高まりや労働強化、そして経営幹部と社員の間の格差拡大が予想されるからだ。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

東芝もGEもJ&Jも会社分割
コングロマリットディスカウント解消へ

 何かと話題の多い会社である、あの東芝が、会社を3分割する案を発表した。インフラ事業とデバイス関連事業と大手半導体メーカーであるキオクシアホールディングス(HD)の株式などを管理する会社に3分割するという。

 一方、米国でもゼネラルエ・レクトリック(GE)がエネルギー、医療、航空の3事業に会社を分割すると発表したし、ジョンソン・エンド・ジョンソンも日用品や市販薬などの「消費者向け部門」と処方薬や医療機器などの「医療向け部門」に2分割すると発表した。

 いずれもお題目は「コングロマリットディスカウント」の解消だ。コングロマリットディスカウントとは、複数の事業を持つ会社の時価総額が、個々の事業を上場した場合の時価総額の合計を下回ることを指す。