GEロゴPhoto by Takahisa Suzuki

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説』。今回は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の3社分割を取り上げます。WSJはGEの決断に対して二つの問題点を指摘しています。同じタイミングで同じ「3社分割」 の検討が取り沙汰されている東芝への教訓とは?(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)

東芝「3社分割」報道の直後に
GEも3社分割を正式発表

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は11月9日、「航空」「ヘルスケア」「エネルギー」をそれぞれ主力事業とする三つの上場企業に分割する計画を明らかにしました。

 その発表は、ちょうど東芝が「3社分割」を検討中だと取り沙汰されているタイミングと重なったので、驚いた人も多かったのではないでしょうか。

 東芝が進めようとしているのは、組織を「インフラ」「デバイス」「半導体メモリー」の3事業に再編した上で三つの会社に分割し、それぞれを株式上場する構想だといいます。3事業の中身にこそ違いはありますが、考えていることは同じです。

 GEといえば長らく「世界有数のエクセレントカンパニー」として語られてきましたが、最近は経営不振に苦しんできました。一方、東芝の最近の苦境については、説明する必要はないでしょう。日米の「重電業界の名門」が苦境にあえぎ、同じタイミングで同じ「3社分割」という経営判断に至った――。運命的なものを感じずにはいられません。

 そして、この「会社分割」という決断は、重電業界に限らず、GEや東芝と似た問題を抱える日本企業にとって“特効薬”になる可能性を秘めているかもしれません。

 そこで、米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」がGEの3社分割をどのように報じたかを通じて、東芝や他の日本企業への教訓を探ってみたいと思います。WSJはGEの3社分割に対して二つの問題点を提起しています。その中身とは?