中国は英グラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、一段と野心的な目標の発表を見送り、閉幕に当たり公表された成果文書の文言を土壇場で薄めるようインドとともに働きかけたことで、大きな批判を浴びた。急転直下で10日公表された気候変動対策に関する米中共同宣言は、踏み込んだ詳細な目標を欠くものの、一定の明るい兆しではある。しかしながら、環境政策を巡る中国のジレンマは依然として非常に根が深く、安全保障上の最大の弱みの一部とも切り離せない側面がある。米中関係が著しく改善しない限り、この事実は一段と迅速な行動を望む向きを今後もいらだたせるだろう。環境活動家にとっての「黒い獣(特に問題視するもの)」である中国の石炭大量消費に関してはなおさらそうだ。