内向型の「不安になりがち」は、慎重さの裏返し

 しかし、内向型の不安になりがちな性格は慎重さにもつながります。不安だからこそ、プレゼンの内容を何度も反芻しては、失敗しないように周到に準備を重ねます。どんな質問を受けてもいいよう、あらゆるシーンを想定して準備します。そのため当日は、ミスなく着実に進行することができ、思いがけない質問にも対応ができたりします。不安の強さは、慎重さにつながるのです。

 さらに、内向型特有の「なんであんなことを言ってしまったんだろう」「どうしてあの人みたいにとっさに切り返すことができないんだろう」とぐずぐず自分を振り返る内省癖も、視点を変えれば強みにつながります。

 いちいち自分の行動を反省し、自責の念に駆られる感受性のある人は、他人に対しても、うかつな発言をしないよう気をつけていることが多いと言えます。そのため、うっかりデリカシーのない発言をして、誰かを傷つけることを避けることができます。当意即妙のやりとりができる外向型を見ると羨ましく思うかもしれませんが、よく考えて発言する人だからこその長所もあるのです。

 このように内向型の短所は、裏返せば長所にもつながります。