緊急事態宣言が明けた今も、大人数の会合を控える風潮が続いています。職場の人たちと食事に行く機会がなくなり、実はホッとしているという人もいるのではないでしょうか。職場の同僚というある程度近い間柄であっても、長時間いっしょに食事したり飲んだりすると、帰り道はぐったりと疲れてしまう――このような傾向が強い人には、もしかすると「隠れ内向」という心の特徴があるかもしれません。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)
※本記事は『何でもないことで心が疲れる人のための本』から抜粋・再編集したものです。
楽しい場であるはずなのに「早く帰りたい」と思ってしまう
同じ部署に新しい社員が入ったので、みんなでランチに行くことに。本来、それほど気の張らない、楽しい場であるはずなのに、
「この話題で本当に大丈夫だろうか?」
「今の私の発言、新人さんを傷つけてしまったのでは?」
「『この人といてもつまらない』『頼りない先輩だな』と思われていないだろうか」
と食事の間じゅう、そんな葛藤が心の中で渦巻き、終始気をつかっている。そして、ランチタイムが終わるとぐったり疲れている。あまつさえ、帰り道や寝る前までその時の自分の発言を思い出し「私の発言はやっぱりまずかった」「新人さんはどう思っただろう」と自己嫌悪に陥る――。そんな経験はないでしょうか。
このような心の疲れは、もしかすると、「隠れ内向」が影響しているかもしれません。