このままでは忘年会が絶滅してしまう
3つの原因

 ざっくりと調べてみると、三つ大きな原因がありそうです。

(1)会社がまだ忘年会を認めていない。やりたいのだけれども周囲の目が怖いなどコロナがらみの理由
(2)忘年会は嫌い。忘年会の意義を感じていなかったので、このままなくなってほしいという参加者側の理由
(3)リモートが進んで、そもそも人が集まりにくいという新しい理由

 1番目の問題だけならば忘年会需要が戻ってこないのは今年だけの我慢の問題なのですが、2番目と3番目の問題はより本質的な忘年会需要の危機です。

 そしてそこに気づかなければ、「アフターコロナで需要を戻すために今年は市を挙げて忘年会を盛り上げよう」というような自治体が、来年以降も忘年会需要が戻ってこないことに後から気づいて青ざめるような事態が起きるかもしれません。

 そこで考えるべきはまず2番目の問題からですが、実はコロナ禍前からSNSでは「#忘年会スルー」という投稿が話題になっていました。この忘年会スルーに関しては、二つのポイントがあります。

 一つはどの世代にもあてはまるのですが、そもそもお酒が提供される飲食会が苦手な人が一定数いるという話です。人付き合いが苦手、お酒が嫌い、酒の席でセクハラに巻き込まれるのが嫌など、理由はさまざまでしょう。宴会が嫌な人が一定数いるにもかかわらず、これまでは同調圧力で強制的に参加を余儀なくされ、結果として宴会需要が支えられてきたというのが一つめのポイントです。

 そして二つめに、若い世代を中心に「嫌なものは嫌」と言うようになってきているというポイントがあります。これが、SNSで広がっているハッシュタグ「#忘年会スルー」現象につながる話です。忘年会を断りたい人たちを中心にSNS上で共感の輪が広がり、そつなく断る方法や逃げ方のテクニックを共有しているわけです。

 その状況に加えて、忘年会需要についてさらに足を引っ張ろうとしているのが、3番目の事情です。これまでの日本社会はそれでも、「顔を突き合わせて話さないと、伝わらないことがある」として、リアルなコミュニケーションを前提としてまわっていました。そのため、接待や忘年会から逃げるのは簡単なことではありませんでした。しかし、コロナでリモートが進んだ結果、忘年会回避勢は、“コロナ感染予防のための自粛”という新たな錦の御旗を手に入れることになります。

「会社があれだけ生産性向上、リモート容認に変わったのに、なぜ忘年会だけ変わらないのですか?」

「お会いして一年の労をねぎらいたいところなのですが、あいにくリモートワーク推進中で首都圏に出ていく機会がなくなったものですから」

 といった形で、リアルにコミュニケーションしたくない派には断る理由が増えているのがアフターコロナの現実です。

 では、この2番目と3番目の問題を乗り越えて、アフターコロナの街にふたたび忘年会が戻ってくるようにするには、どうしたらいいのでしょうか?