――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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欧米の中央銀行が無秩序に振る舞えば、途上国の中銀が無秩序に振る舞える余地がさらに狭まる。トルコはそのことを理解していないようだ。
トルコ中央銀行は18日、3回連続で利下げを決定。これを受け通貨リラには売りが膨らみ、対ドルで2%下落した。リラは年初来、30%値下がりしており、3月に更迭された前中銀総裁の下で得られた安定はすべて帳消しとなった。
ウォール街では、新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復で大きな追い風を受けるのは新興国の株式市場だとの見方が支配的だったが、今年に入ってのリターンはわずか4%にとどまる。新興国通貨は、コロナ変異株、先進国におけるインフレ加速や金利先高観によって厳しい圧力にさらされている。とはいえ、リラは値下がり率で断トツの首位で、金融政策がその大きな原因となっている。