仮面ライダーのおせちも
ちなみに、松屋の場合、今年販売されたおせちの平均単価は2万9000円弱(10月末時点)で、例年とほぼ同じ。高島屋も平均単価に特に変動はないという。
つまり、高額商品が売れていると同時に、お手ごろ価格のおせちも売り上げを伸ばしているのだ。
なかでも大きく売り上げを伸ばしているのが取り分け不要の1人前の商品、「個食のおせち」で、1人前2セットで1~2万円台。
「昨年のコロナ禍からものすごく出るようになって、売り上げは倍くらい伸びています」(山下さん)
松屋も個食のおせちの売り上げは前年比約208%の伸びとなった。
他にも、さまざまな新商品が開発されている。
例えば、仮面ライダーの絵柄が目を引く「家族三世代おせち」。お重のふたには懐かしい仮面ライダー1号から令和ライダーまで勢ぞろい。
「毎年、新作が出るんですよ。おじいちゃんおばあちゃんが、里帰りをするお孫さんのために、語らいのきっかけになれば、というコンセプトで始めました」(山下さん)
地震で被災した地域をおせちで盛り上げようと、地元企業と共同で開発した「仙台藩 伊達政宗公お好み 鍾景閣おせち」や、くまモンの絵柄をデザインした「熊本おせち」もある。