少し前に、ツイッター上で「#DontBeThatGuy」という動画がバズっていた。男性から女性への暴力について、男性がNOを言おうという内容である。賛同をもって受け入れられる一方で、特に男性からは反発もあるようだ。(フリーライター 武藤弘樹)
性暴力防止の動画が話題
スコットランド警察が製作した「#DontBeThatGuy」というハッシュタグで知られる動画が話題になっている。
動画の長さは80秒弱で、数人の男性が入れ代わり立ち代わり登場して、カメラに向かって「すれ違った女性に口笛を吹いたことはない?」「バスの中で女性をジロジロ見たことは?」「女性を『ナイス』と褒めたことは?」といった質問を次々に投げかける――という内容である。
文化が違うので、すれ違った女性に口笛を吹いたことのある日本人男性は、なかなかいなさそうであるが、ジロジロと言わずともチラチラ見たり、褒めたりといったあたりは、多くの男性が「ある」と答えるような気がする。
そうした、男性にとってはたわむれ、些末(さまつ)とも思える行いが、女性にとっては脅威になり得る。すなわち性暴力はその時点からスタートしているから、「男性は今一度自分を振り返って、女性に対する性暴力抑止の意識を強く持っていきましょう」という呼びかけを、この動画は行っているのである。
この動画はthat-guy.co.ukというサイトに掲載されていて、そのサイトによればTwitterで280万回を超える再生数となっているようである(※2021年11月26日現在)。
それだけ反響があったということは、当然ながら賛否両方あり、男性の中にはその動画を見てイラッとする人もいるようだ。
本稿ではこの動画を見た筆者の率直な感想と、こうした議論でよく関連して論じられる「NotAllMen」(ノット・オール・メン)などについて紹介しながら、性暴力防止を模索する道筋はどのようにあるべきかを考えていきたい。