著名人や有名経営者から名指しで「あなたにインタビューをしてもらいたい」と声がかかるインタビュアーの宮本恵理子さん。これまでに取材した相手は延べ2万5000人以上。そんな彼女の「聞くスキル」を一冊にまとめた『行列のできるインタビュアーの聞く技術』が好評発売中です。本書の巻末には、実際に寄せられた「取材時の困った!」に宮本さんがどう対処してるのかをまとめました。本連載では、書籍の回答に大幅加筆し、取材の悩みに回答していきます。『行列のできるインタビュアーの聞く技術』と一緒に読み込めば、きっと話を聞くスキルがぐっと高まるはずです。

優秀なインタビュアーは取材中、どんなふうにメモを取る?Photo:AdobeStock

20年の試行錯誤を経てたどり着いた
A4コピー用紙、活用術

質問:宮本さんの取材ノートを見せてください。

回答:もちろん、どうぞ。こちらです。

優秀なインタビュアーは取材中、どんなふうにメモを取る?宮本恵理子さんのメモの取り方(例)

 この上にある写真は一部ですが、私の現在のスタイルは「A4のコピー用紙を束ねたファイル」がメイン。サブのノートとして、手のひらサイズのメモノートを使っています。

 この仕事を始めて20年、いろいろなノートを試してきた結果、行き着いたのがシンプルな白いコピー用紙だった一番の理由は使い勝手の良さ。

 取材中に聞いた話を図解で表現して、「こういう理解で合っていますか?」と確認するときにも、サッと1枚差し出せて、大き過ぎず小さ過ぎないサイズがいい。

 メモを取るときには縦1本に線を引き、左右のスペースを使い分けながら書き込んでいきます。左右をどう使い分けるのか、より詳しいノートの取り方については、拙著『行列のできるインタビュアーの聞く技術』の中で詳細に解説していますので、ご興味があればぜひご覧ください。

 メモの取り方は人それぞれのスタイルがあり、それぞれに根拠があります。

「この人のインタビューから学びたいな」と思える人がいたら、「どういうメモの取り方をしているか、教えていただけませんか」と頼んで、実物を見せてもらうといいと思います。

 なぜそのスタイルなのか、「聞く技術」とどう関連しているのか。きっと、納得できる理由があるはずです。違いを研究しながら、自分なりのスタイルを見つけてみてください。

『行列のできるインタビュアーの聞く技術』では、本記事で触れたような相手の話を聞くためのさまざまなスキル、相手の心をほぐして話をよりスムーズに聞くためのスキルを88、紹介しております。そしてこの聞く技術は、インタビューという特殊な環境ばかりではなく、営業や1on1、会議、面接、コーチング、採用、雑談などあらゆるシーンでも生かすことができます。ぜひ、本書を手に取ってみてください。

優秀なインタビュアーは取材中、どんなふうにメモを取る?