著名人や有名経営者から名指しで「あなたにインタビューをしてもらいたい」と声がかかるインタビュアーの宮本恵理子さん。これまでに取材した相手は延べ2万5000人以上。そんな彼女の「聞くスキル」を一冊にまとめた『行列のできるインタビュアーの聞く技術』が好評発売中です。本書の巻末には、実際に寄せられた「取材時の困った!」に宮本さんがどう対処してるのかをまとめました。本連載では、書籍の回答に大幅加筆し、取材の悩みに回答していきます。『行列のできるインタビュアーの聞く技術』と一緒に読み込めば、きっと話を聞くスキルがぐっと高まるはずです。
ズームなどのウェビナーでは
チャット欄を使って盛りあげる
質問:ClubhouseやFacebookライブなど公開インタビューで気をつけていることはありますか。
回答:公開型のインタビューで心がけているのは、視聴者(オーディエンス)の力を積極的に借り、巻き込むことです。
公開インタビューでは、「インタビュイーに話を聞く」と「視聴者(オーディエンス)に話を聞いてもらう」という2種類のコミュニケーションが同時に進行しています。
インタビューを聞いてくださっている視聴者の方々が、「これは何の話?」「どういう流れで話が進むの?」と迷ってしまわないように、冒頭にテーマや進行の説明を入れるようにしています。
私が定期的に開催してきた「インタビュー勉強会」でも、最初にゲストのプロフィール紹介をした後に、「今日は○○さんにこんなことを聞きたい!」と3~4つ程度のテーマ案をスライドで見せるようにしています。
またzoomなどのオンライン会議ツールを使ったウェビナーでは、できれば「チャット欄のフォロー係」を誰かにお願するといいでしょう。
インタビューで登場したキーワードを随時、チャット欄に記入してもらえば、途中から参加した視聴者でも、チャット欄を遡って話の流れをキャッチアップできるのでとても親切。
このチャット欄は上手に使えば、視聴者とインタラクティブなコミュニケーションができるので、インタビューの質が高まります。「ゲストに聞いてみたいことがあれば、チャット欄にどんどん書き込んでくださいね!」とお伝えし、コメントを拾いながらインタビューの軌道を柔軟に変えていきます。
質問ではなかったとしても、「○○さんがさっきおっしゃったキーワードに、感嘆の声が集まっていますよ!」など視聴者のリアクションを伝えるだけで、話し手はノッてくれます。
話を聞いてくださっている視聴者と話し手の間の距離感ができるだけ縮まるように。上手な橋渡しができるといいですね。
『行列のできるインタビュアーの聞く技術』では、本記事で触れたような相手の話を聞くためのさまざまなスキル、相手の心をほぐして話をよりスムーズに聞くためのスキルを88、紹介しております。そしてこの聞く技術は、インタビューという特殊な環境ばかりではなく、営業や1on1、会議、面接、コーチング、採用、雑談などあらゆるシーンでも生かすことができます。ぜひ、本書を手に取ってみてください。