【台北】今年規制強化で痛手を負った中国の大手テクノロジー企業に景気減速が追い打ちをかけている。
一部の大手企業は、7-9月期の売上高の伸び率が減速した理由としてマクロ経済状況の悪化を挙げた。ソーシャルメディア・ビデオゲーム大手テンセント・ホールディングスの増収率は2004年の株式公開以来最も低かった。オンラインデリバリーの美団は食品配達の注文の伸びが鈍化した。検索エンジン大手の百度(バイドゥ)は広告部門が減速した。電子商取引大手のアリババグループは本年度の増収予想を下方修正した。
中国テクノロジー大手が困難に見舞われているのとは対照的に、一部の米テクノロジー大手の業績は好調だ。新型コロナウイルスの世界的流行でネット通販の利用やリモートワークの導入が進んだことを受けて、アルファベット傘下のグーグルとマイクロソフトの業績は拡大した。アマゾンの増収率はサプライチェーン(供給網)の混乱と人手不足の影響で鈍化したものの、アマゾンもグーグルもデジタル広告事業の需要は堅調だった。
中国ではデータ収集やアルゴリズム、未成年のネット利用時間などの領域をこれまで以上に厳しく規制する政策が導入され、国内のインターネットプラットフォームは既にその影響に対応している。上海に本社を置くコンサルティング会社エージェンシーチャイナの調査・戦略マネジャー、マイケル・ノリス氏は「問題はこれらのプラットフォームが不況や取り締まりの影響を受けないと言われる業界にサービスを提供する態勢ができているかだが、現時点ではそうした業者は多くない」と話す。