認知症の本人から見た世界とは?お風呂に入りたくない、トイレが間に合わない…認知症の人から見える世界とは?人それぞれいろいろな見え方があるようだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

認知症の人から見えている世界とは?認知症の「本人」の視点から、その気持ちや困りごとがまとめられた筧裕介さんの『認知症世界の歩き方』(ライツ社)は、認知症の人が経験する出来事を旅形式でまとめています。今回は家族や介護者の多くが戸惑う、「お風呂に入りたがらない問題」や「トイレを思いがけず失敗してしまう問題」を中心に抜粋してお届けします。

「認知症」とは、なにか?

認知症とは、
「認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態」のこと。

そして認知機能とは、
「ある対象を目・耳・鼻・舌・肌などの感覚器官でとらえ、それが何であるかを解釈したり、思考・判断したり、計算や言語化したり、記憶に留めたりする働き」のことです。

 例として、「わたしたちが外出先でトイレに入るまで」の過程を見てみましょう。