貯めてもよし、使ってもよしの現金は万能だが

 ポイントに対して、現金のキャッシュバックはどうだろう。

 キャッシュレス化の一環として多くの銀行が、国際ブランド付きデビットカードをアピールしており、そのインセンティブとして現金キャッシュバックを行っている。大手銀行でおおむね0.2%、ネット銀行で0.5~2%といったところ。

 ネット銀行は高めだが、1%超えのキャッシュバックを受けるには、投資商品の買い付けなどが必要になるのでハードルは高く、現実的には難しい。0.2~0.5%がいいところだろう。10%、20%、場合によっては50%なんていう高還元率を連発するポイント還元と比較すると、やはり見劣りはする。

 しかし、現金はポイントにないメリットがある。

 まず、利用期限がない。失効を防ぎたいあまりに余計な買い物をする必要はない。使える店やサービスが限定されることもない。

 なかでも一番のメリットは、「使わなくてもいい」ことだろう。当たり前すぎるが、別に無理に使わなくても、お金はお金のまま口座に貯めておける。ポイントは使わなければ節約の恩恵にはあずかれないが、現金のキャッシュバックなら小銭が増えるだけで、使っても使わなくてもいい。最初に書いた値引きと同じで、もうそこで「オトクの享受」は終了していることになる。逆にポイントは、「期限」「使い先の制限」「使って初めてトクになる」という不自由さがあるがゆえに、還元率を自由に高くできるわけだ。