コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じている。ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまう。
そんな中、このコロナ禍に22万部を突破したベストセラーストレスフリー超大全』では、著者の精神科医・樺沢紫苑氏は、ストレスフリーに生きる方法を「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介している。「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る。

精神科医が呆れる「他人に相談できない人の残念な考え方」ワースト1Photo: Adobe Stock

「相談が苦手」な日本人

 人生では、1人の力だけで解決できない場合も多くあります。

 その場合、他人の力を借りるしかありません。他の人に「相談する」ということです。

 ある調査によると、64%の人が「仕事に関して悩みを持っている」と答え、そのうち、53%の人が「悩みを相談できない(しない)」と答えています。

 今までに「自殺したいと思ったことがある人」に対して、「自殺を考えたとき、誰に相談したか」という質問に、「相談したことがない」と答えた人は60.4%となっています。つまり、約3分の2もの人が、生きるか死ぬかという極めて重大な問題を、1人で悩み続け、誰にも相談できないでいるのです。もし、そういう状況にいるなら、そんな自分を変えましょう。

 そもそも、日本には「相談」という文化が根づいていません。
 人に相談すると、相手に心配をかけてしまうと思い込み、心配をかけたくないので自分で抱え込んでしまうのです。

 たとえば、子どもが学校でイジメにあっても、親にも教師にも相談しないことが大半です。アメリカでは、小学校からスクールカウンセラーがいて、全生徒と定期的に面接をし、相談のハードルを下げています。幼い頃から相談慣れしているので、大人になっても相談ができるのです。

「相談しても意味がない」という誤り

 相談できない患者さんに、「どうして相談しなかったのですか?」と質問すると、「相談しても解決できるような問題じゃないので、意味がないです」と言う人が多いです。

 たしかに、「嫁姑問題」は離婚しない限り、「上司との険悪な人間関係」は会社を辞めない限り解決しない気がします。しかし、悩みや不安の原因が完全に取り除かれなかったとしても、あなたの「不安」「苦しみ」「つらさ」の受け取り方は、考え方を変えることで取り除くことができます。

 精神科の診療を受けると、陰鬱な表情で来院された患者さんが、たった30分の相談だけでも、「気分が楽になった」と笑顔で帰っていく人が多くいます。「問題解決」は「原因除去」だけが目的ではなく、不安やストレスを取り除くことが目的なのです。

 ほとんどの人は、相談とは「専門家のアドバイスをもらい、問題解決の手助けとすること」と考えているはずです。それは、相談のメリットの一部でしかありません。たった一度、30分相談しただけでも不安やストレスが相当取り除けます。相談自体に「ガス抜き効果」があるからです。