米国の銀行株は新型コロナウイルス感染の流行中も耐性を発揮した。だが、新たな変異ウイルス「オミクロン株」を巡る不確実性と規制環境の変化が重なり、その耐性が再び試されている。先週のオミクロン株に対する市場の激しい反応の中で、大手金融機関は最も打撃を受けた銘柄の一つとなった。S&P500種銀行株指数は26日の取引で4%近く下落。S&P500種全体よりはるかに大幅な下げとなった。いくつかの点で、これは理不尽だ。昨年、コロナ感染とロックダウン(都市封鎖)が広がる中で銀行株に打撃をもたらしたものは、自社株買いの中止、金利の急落、信用不安の高まりなどだった。現在は、金利が既に超低水準にあり、貸し倒れは十二分に管理され、自社株買いも再開されている。銀行株は今年に入り30%超上昇している。そのため、投資家は目先の銀行株の下落を買いの好機と考えるかもしれない。しかし、他にも考慮すべき点がある。