CoCo壱番屋Photo:Diamond

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は壱番屋、トリドールホールディングスなどの「その他外食(ラーメン/餃子/定食など)」業界の4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

トリドールHD、大戸屋HDは
前年同期比増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のその他外食(ラーメン/餃子/定食など)業界4社。対象期間は21年6~9月の直近四半期(壱番屋は21年6~8月期、その他3社は21年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・壱番屋
 増収率:マイナス2.2%(四半期の売上高109億円)
・トリドールホールディングス(丸亀製麺など)
 増収率:8.4%(四半期の売上収益392億円)
・王将フードサービス
 増収率:マイナス3.6%(四半期の売上高203億円)
・大戸屋ホールディングス
 増収率:4.4%(四半期の売上高44億円)

※壱番屋、王将フードサービス、大戸屋ホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 その他外食(ラーメン・餃子・定食など)業界の4社では、壱番屋、王将フードサービスが前年同期比減収、トリドールホールディングス、大戸屋ホールディングスが増収となった。

 4社中2社が前年同期比で増収となったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が出る前の19年の実績と比べると、売り上げはどのくらいの水準まで回復しているといえるのか。次ページ以降では、データを交えて詳しく解説する。