前回まで、財務三表の読み解き方の基本について、事例を踏まえて解説してきた。今回は損益計算書(P/L)をもとにサイゼリヤ、ブロンコビリー、壱番屋の外食企業3社の利益構造をひも解いてみたい。(中京大学国際学部・同大学院研究科教授 矢部謙介)
外食3社のビジネスモデルを
決算書から読み解いてみよう
今回は外食産業の3社、サイゼリヤ、ブロンコビリー、壱番屋の損益計算書(P/L)を取り上げて比較してみよう。
サイゼリヤは低価格のイタリアンファミリーレストランチェーン、ブロンコビリーはステーキハウス、そして壱番屋はカレーハウス「CoCo壱番屋」などを運営している。
外食産業は、コロナ禍によって大きな影響を受けているが、各社の本来のコスト構造を把握するために、今回はあえてコロナ禍の影響を大きく受けていなかった頃のP/Lを使用する。
また、今回取り上げるのは、ブロンコビリーは単独(親会社のみ)のP/L、それ以外の2社は連結(グループ全体)のP/Lである。これは、ブロンコビリーでは連結の決算書を作成していないためだ。
では、それぞれのP/Lを見ていくことにしよう。