世界の大半の国々が、最近スコットランドで開かれた第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の首脳会議に注目していた時、中国は全く違う方面の環境問題に注目していた。中国は、南極の沿岸海域に新たな海洋保護区を設ける動きを、ある国際フォーラムの場を活用して5年連続で阻止した。この中国の対応をロシアも支持した。中国政府は、南極大陸への関心を強めているが、その理由は全く不当なものだ。1961年以降、南極は南極条約によって管理されてきた。中国を含む50カ国以上が同条約の締約国になっている。同条約は、南極を科学調査のために保護することを定めており、南極の地で軍事活動を全面的に禁止している。1991年のマドリード議定書は、南極で鉱物資源採取を禁止し、地球上で最後の真に手つかずの自然の生態系を守る姿勢を打ち出した。
【寄稿】南極大陸の環境に脅威もたらす中国
軍事・商業利用を画策
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