90万部超のベストセラー『超一流の雑談力』著者安田正さんによる、新しい話し方の本『武器になる話し方』が12月8日に発売になりました。著者は、これまで30年以上、コミュニケーションや英語をテーマにした研修や講演を行ってきて、経営者を含む、何万人というビジネスパーソンとお付き合いをしてきました。
そうした中で強く感じるのは、なんともったいない話し方をしている人が多いのか! ということでした。本来ならもっと評価を受けていい人、もっとレベルの高い仕事ができるはずの人、よりたくさんの収入に恵まれるべきであるはずの人が、不当な扱いを受けたり、苦労を強いられたりしているということです。この連載では本書で紹介している『武器になる話し方』の方法、コツをご紹介していきます。

相手との距離を縮める「プチ自己開示」とは?Photo: Adobe Stock

天気の話でも興味を持ってもらうコツ

 初対面の会話で、こんな経験をしたことがないでしょうか?

A「今日はいい天気ですね。このところいい天気が続きますよね」
B「はい、そうですね……」

 と、このあとが続かないような状況です。話題がまったく続かず、延々と盛り上がらない質問ばかりしてしまうと気まずい時間が流れます。

 では、なぜ話が続かないのでしょうか?
 それは、相手が話題に興味が持てていないからです。

 自分の好きなことや興味のあることならば話はできますよね? しかし、まったくお互いのことを知らない状況ではそれが難しいのです。だから、話題が続きません。

 そこでおすすめしたい方法が「一言だけ自己開示をすること」です。

A「今日はいい天気ですね。明日も晴れるといいですね……」
B「そうですね」
A「いやー、実は明日久しぶりのゴルフでして。ぜひ、快晴の下でプレイしたいんですよ
B「ああ、ゴルフされるのですか。実は私も……」

 このように、同じ天気の話であっても、「なぜ晴れてほしいのか」という個人的な理由を一言プラスするだけで、話題を深めるきっかけになります。

 この例で言えば、相手の興味次第でこのあとスポーツの話に移ることもできますし、趣味の話に移ることもできます。

 ほんの少し自己開示をするだけで相手も自己開示がしやすい空気ができるわけです。そして、お互いに距離を縮めていくことができます。

自慢話や身の上話になると、途端につまらない話になる

 このときの注意点は、自分の話をしすぎないことです。

 たとえば、「ゴルフやっていまして、去年コンペで優勝して……」などと自慢めいた話が始まると、途端につまらない雑談になってしまいます。

 また、「明日晴れてほしいんですよ。実は私、3年前から腰を悪くしまして、雨の日は腰痛がひどくなることがありまして……」と、相手が気まずくなるような自分語りも聞き手には退屈な話です。

 あくまでも会話の入り口として、「プチ自己開示」程度に留めておくことがもっとも大事なことになります。

武器になる
話し方

その話題を出した理由を
「ほんのり自己開示」をすると相手も自己開示がしやすくなる