上司の話を「ちゃんと聞く」だけでは
部下は成長しない

上司:「わかった?」
部下:「わかりました」

これでは、部下は上司の話を聞いただけ。

たしかに、インプットはしています。

「相手の話を、敬意をもって聞く」というところまでは、ちゃんとできています。

しかし、これだけでは成長につながりません。

上司の話を聞いただけでは、部下である若手は頭を使って何も生み出していないからです。

そこで、上司は部下に、自分の言葉で話させるための質問をするのです。

上司:「わかった?」
部下:「わかりました」
上司:「よかった。ちなみに、どんなふうに理解したかな?」

このように一回問いかけてあげるだけで、脳みそを使うアウトプット作業につながります。

これが「インプット→アウトプット会話」なのです。

「どういうふうに受け止めている?」
「どういうふうに解釈した?」
「次は何をすればいいと思った?」
「誰かにそれをやってもらうとしたら、どう説明する?」

などと、上司が話したことを自分なりに解釈し、ほかの誰かに伝えることができるか、理解できているのか、自分の言葉で話してもらうのです。

ダメな上司はインプット会話しかしていません。

「これをやれ」
「はい」

中には、

「いいから黙ってやれ」

という上司も……。

これでは思考停止状態に陥ってしまいます。

いつまでたっても、受け身社員は受け身のままでしょう。

ささいなことでも構いません。

その都度、自分の言葉で話させるよう投げかけることを上司の習慣にしてください。

そうすれば、受け身だった若手も、自然と自分の意見を言うようになり、そこから、「こういうことをやってみたいです」といった、意思表明が生まれるのです。

※次回は、「主体的に動いて」を解決する2つのアクションについてお伝えします。(次回は12月9日公開予定)

曽山哲人(そやま・てつひと)
株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHO 曽山哲人氏

1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服部門配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、社員数が20人程度だったサイバーエージェントにインターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任。2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員、2016年から取締役に再任。2020年より現職。著書は『強みを活かす』(PHPビジネス新書)、『サイバーエージェント流 成長するしかけ』(日本実業出版社)、『クリエイティブ人事』(光文社新書、共著)等。ビジネス系ユーチューバー「ソヤマン」として情報発信もしている。

2005年の人事本部長就任より10年で20以上の新しい人事制度や仕組みを導入、のべ3000人以上の採用に関わり、300人以上の管理職育成に携わる。毎年1000人の社員とリアルおよびリモートでの交流をおこない、10年で3500人以上の学生とマンツーマンで対話するなど、若手との接点も多い。