決算報(製薬)Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は中外製薬や武田薬品工業など「製薬」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

中外製薬が前年同期比37.8%の
大幅増収、その要因とは?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製薬業界4社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・中外製薬
 増収率:37.8%(四半期の売上収益2873億円)
・武田薬品工業
 増収率:7.1%(四半期の売上収益8448億円)
・第一三共
 増収率:9.3%(四半期の売上収益2659億円)
・アステラス製薬
 増収率:5.5%(四半期の売上収益3255億円)

 製薬業界の4社はいずれも前年同期比増収となった。特に、中外製薬は前年同期比37.8%と、飛び抜けて高い増収率を記録している。

 この要因は何だったのか。次ページでは、時系列データを交えて詳しく解説する。