米連邦準備制度理事会(FRB)はたった4週間前、慎重に市場と対話を重ねてきた資産買い入れの段階的縮小(テーパリング)計画を実行に移した。だが、来週開催する金融政策会合では、当初想定していた来年6月ではなく、来年3月の完了に前倒しする方向でテーパリングの加速を議論することになりそうだ。  FRBはこの突然の方針転換で、インフレ抑制に向けて、来年の後半ではなく来春にも利上げを開始できる態勢が整う。パウエル議長による急転直下の政策転換は、ジョー・バイデン米大統領が再任を発表した直後のタイミングで起こった。