米フロリダ州の陪審員は、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの誕生を巡り、クレイグ・ライト氏とデービッド・クレイマン氏が共同で立ち上げたとの主張を退けた。
今回の訴訟は、ビットコインの生みの親とされる「サトシ・ナカモト」の正体が判明する可能性があるとして注目されていたが、誕生を巡る謎は解決されないまま終わった。
クレイマン氏の遺族は今回提起した民事訴訟で、ライト、クレイマン両氏が「W&Kインフォメーション・ディフェンス・リサーチ」と呼ばれるビジネスパートナーシップ共同で手掛けていたと主張。このビジネスの一環として、2008~09年に「サトシ・ナカモト」の名前でビットコインを創設したとしている。
クレイマン氏の遺族は、同氏が2013年に死去した後、ライト氏がクレイマン氏の関与を隠ぺいしたと訴え、賠償を求めていた。そのため判決によっては、多額の賠償が命じられ、ライト氏はサトシ・ナカモトが所有しているとされるビットコインの一部売却を余儀なくされる恐れがあり、それによって、ビットコインの生みの親だと主張するライト氏が実際に関与していたかどうかという問題を解決するとみられていた。
陪審員は不当利益や詐欺などライト氏に対する10件の訴えのうち、9件を退けた。だが、パートナーシップに所属するビットコインを自分の目的のために交換したとする原告の訴えについては認め、クレイマン氏側に1億ドルを支払うよう命じた。
ライト氏は判決を受け、裁判所の外で「極めて望ましい結果で、身の潔白が証明されたと感じている」とコメントした。
今回の決定で、サトシ・ナカモトの正体は誰なのかという謎が近く解決される可能性は後退した。
ライト氏はパートナーシップは非公式なもので、ビットコインの構築は含まれていないと主張。自身が単独でビットコインを開発し、後になってクレイマン氏らに少し助けてもらったと説明していた。
だが、ビットコインのコミュニティーでは、長らくライト氏の主張は広く却下されており、今回の訴訟結果が人々の見解に何らかの影響を与える可能性は低いとみられる。



