これまでに得られた証拠から、学校閉鎖の悪影響が明らかになっている。そして今回、全米経済研究所(NBER)が公表した研究報告で、リモート学習が生徒の学業成績をいかに低下させるかが示された。特に低所得層、マイノリティー家庭の子どもでその傾向が顕著だった。同報告の筆者である米ブラウン大学、ネブラスカ大学リンカーン校、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは米国の12の州で、対面授業の実施度合いと、3~8年生の生徒の学業成績の関係を調査した。その結果、全調査対象者のうち、2021年春に「proficient(十分な習熟度)」か、それ以上の成績を収めた生徒の比率は、それ以前の年と比べ算数で平均14.2ポイント低下し、言語技術で同6.3ポイント低下した。