米国のミレニアル世代がついに、大人としてのけじめの一つである遺言書の作成に取り掛かり始めている。弁護士やファイナンシャルアドバイザーのもとには、予期せぬ死に備えて身辺整理をしておきたいという若い人たちからの相談が増えている。オンライン法律文書作成会社リーガルズームが2020年に行った調査によると、遺言を書いた35歳未満の成人の32%が、そのきっかけに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を挙げた。介護サービス紹介会社ケアリング・ドット・コムによると、18~34歳の若者の約27%が2021年に遺言書を作成したと答えており、2019年の18%から大幅に増えている。ミレニアル世代の遺言書作成が増加している最大の要因は、自分や家族がいつ病気になるか分からない不確実な状態が続いていることにある。また、急激なインフレなど、ミレニアル世代がこれまで経験したことのない出来事も遺言への関心を高める一因になっていると弁護士やファイナンシャルアドバイザーは指摘する。