新人時代にやってしまった、
取返しのつかない大失敗

　私は新人の時、今思い出しても冷や汗が出るミスをしました。

　出発前、機内でお客さまに提供する予定のお菓子の数の計算が何度やっても合わなかったのです。出発時刻が迫る中で混乱した私は、計算を諦めてケータラー（機内食等を搬入する人）さんの用紙に記載してある数をそのまま先輩に報告してしまいました。

　ところが実際には私の計算が合っていて、搭乗されたお客さまの人数に対して80個のお菓子が不足していたのです。それに気づいたときには、もう飛行機が動き出していました。100％私の怠慢によるミス。血の気が引きました…。

　それによってチーフや先輩方の仕事を増やすことになり、お客さまにもご迷惑をかけてしまいました。生きた心地がしない気持ちでフライトしたことを今でも覚えています。

　到着後、すぐにチーフのもとに謝罪に向かいました。何を言われても仕方がないという気持ちでした。

　しかし、チーフは「あなたのせいではありません。すべてはチーフである私の責任です」と一言。どんな言葉よりも堪え、猛省しました。そして、どんな状況であろうともう二度と同じミスは絶対にしないと心に誓いました。