『これだけできれば大丈夫!すぐ使える!接客1年生』(ダイヤモンド社)の著者・七條千恵美さんは、JALの元カリスマ教官。七條さんいわく、接客の本質とは「あなたを大切に想っています」「感謝しています」「歓迎しています」「敬意を持っています」という想いを感じていただくこと。お客さまの「イラッ」「モヤッ」をなくすこと。それが、接客の基本中のキホン。まずはここがスタートラインになります。お客さまに信頼され、リピーターが増える接客のキホンを解説する本連載。書下ろし特別編の第7回をお届けします。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

新人時代にやってしまった大失敗に対して、チーフが放った予想外の一言とはPhoto: Adobe Stock

新人時代に学んだことを絶対に忘れない

 こんにちは。接客マナー講師の七條千恵美(しちじょうちえみ)です。「初心忘るべからず」という言葉がありますが、私は接客マナー研修にとどまらず、どのような研修でも新人の皆さんに対しては、今の気持ちや新人の頃の経験を忘れないでくださいとお伝えしています。

 そこには、ベテランになったときに仕事に対して傲慢にならず、謙虚さを忘れずにいてほしい気持ち、そしてお客さまや仲間への感謝の気持ちを忘れずにいてほしいという気持ちを込めています。

 また、新人の時はわからないことや失敗がつきものですが、そのような時に上司や先輩がどのようなフォローや指導をしてくれたのかを、しっかり記憶しておいてもらいたいという願いがあります。

 経験の浅い新人であれば「しまった……!」と心臓が止まりそうになるミスをしてしまうことだってあるでしょう。そんなとき、どのようなフォローで周りに助けてもらったのか。どのような指導方法や説明の仕方であれば混乱することなく理解しやすいのか。どのような伝え方であれば無駄に傷ついたり、反発したりすることなく真摯に反省できたのか。

 このような経験をしっかりと胸に刻んでおくことが、いずれ自身が誰かの先輩や上司になったときに大いに役立つ財産になるからです。

 接客の仕事を通じ、多くのお客さまとの出会いがありますが、出会うのはお客さまだけではなく職場の仲間とも出会います。

 お客さまと同様に仲間も十人十色。せっかくならば、尊敬できる素敵な行動をしている人から多くのことを学ぶチャンスです。