「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは出版した初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。

頭がいい人と悪い人「転職面接」での態度で現れる差Photo: Adobe Stock

なぜ高卒の僕が面接に落ちなかったのか?

 書類の通過率は2~3割だった僕ですが、面接の通過率は8割以上です。面接まで進めば(最初から企業側が求めているスキル・経験に大きなズレがあった場合以外は)ほとんど落とされません。

 自分なりに分析すると、成功の理由は「徹底的に相手に合わせているから」だと思います。

 そもそも、多くの人が面接の定義を間違えています。面接とは「自分の実績をPRする」場ではありません。「企業側が求めている内容に沿って、答えを用意する」場なのです。だから、話し方がうまいとか、口ベタだとかもあまり関係ありません。

 といっても、僕が「相手に合わせている人は少数派だったのか」と気づいたのはデロイトを退職後独立・起業して、面接する側になってから。既に数百人と面接しましたが、8割の人がこちらは特に聞いていない「自分のやってきたこと」を熱心に語ってしまっています。「パンが欲しい」と明確にいわれているのに、「白いご飯はおいしいですよ! 卵かけご飯にもアレンジできます。おにぎりはどうですか?」みたいな面接をしてしまっている人が、とても多いのです。

 もうひとつ、僕らが忘れてはいけないのが「人と同じことをいっても受からない」ということです。職務経歴書で数字を記載するのは大事なのですが、それを面接で繰り返しても、受かりません。これが、第2章の冒頭で「思考のプロセスを語れ」と書いた理由です。

 人の採用は、企業にとっては投資です。投資に合ったリターンがなければいけません。そういう状況で例えば「東京大学出身者」と「高卒の僕」が受けに来ている。スペックでいえば明らかに負けている状況で、面接官に「他の人ではなく自分を通す理由」をつくり出す必要があるのです。

※この記事は『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』からの抜粋です。