米連邦準備制度理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大前の経済から得た教訓は、失業率がインフレを促進することなく歴史的な低水準で推移しうるということだ。だからこそ、FRBは昨年、雇用市場が堅調だからという理由だけで利上げすることは二度とないと誓約した。ところが、その前提は間違っていたことが明らかになりつつある。そのためFRBは、決して直面したくなかった状況に陥っている。労働市場が2年前の状態に程遠いままでありながら、景気を減速させるために金利を引き上げる準備をしているのだ。失業率は今年に入って急低下し、11月には4.2%を記録した。ただ、コロナ前の最低である3.5%は依然として上回っている。労働力から離脱して、まだ戻っていない数百万人はカウントされていない。仮にコロナ前の傾向が続いていた場合に比べると、現在の雇用者数は500万人少ない。
FRBの目算狂う低失業率、インフレの脅威増す
労働市場の需給ミスマッチ解消せず、賃金・物価スパイラル懸念するFRB
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