デフォルト(債務不履行)に陥り、過去最安値に沈んでいる中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の債券に安値拾いの買いを入れる動きが出ている。背景には、複雑な債務再編が予想される中でも、債権者は最終的に、現在の債券価格が織り込んでいる水準を大きく上回る資金を回収できるとの読みがある。恒大集団の外貨建て債の発行残高は200億ドル(約2兆2700億円)相当だ。事情に詳しい関係筋によると、伝統的な資産運用会社であるスイスのボントベル・アセット・マネジメントやディストレス投資を専門とする香港のSCローウィー、米アポロ・グローバル・マネジメントなどが恒大集団の債券を買っている。ボントベルの新興国債券責任者、ルック・ドゥージ氏は「現在の価格には相当な悪材料が織り込まれている――これは買いの好機だ」と話す。同社は投資の分散先を増やしリスクを低減するため、他の中国不動産開発業者の債券も購入した。
恒大の債券、安値で拾う投資家 デフォルトでも
複雑な債務再編が予想される中、最安値に近いエバーグランデ債に買いの動き
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