コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の百貨店編だ。
三越伊勢丹、高島屋も…
見せかけの前年並み実績の裏で進む「百貨店危機」の正体
百貨店の主要4社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯三越伊勢丹の既存店売上高
7月度:前年同月比114.9%(14.9%増)
8月度:同92.9%(7.1%減)
9月度:同102.6%(2.6%増)
◯高島屋の国内百貨店売上高
7月度:前年同月比105.4%(5.4%増)
8月度:同91.3%(8.7%減)
9月度:同99.2%(0.8%減)
◯大丸松坂屋(J.フロント リテイリング)の百貨店事業合計
7月度:前年同月比107.9%(7.9%増)
8月度:同94.8%(5.2%減)
9月度:同99.2%(0.8%減)
◯阪急阪神百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリング)の既存店売上高
7月度:前年同月比111.0%(11.0%増)
8月度:同84.4%(15.6%減)
9月度:同93.1%(6.9%減)
今回取り上げる4社のうち、三越伊勢丹のみが21年9月の実績で前年同月を上回っている。この数値を見ると、三越伊勢丹の業績は回復に向かっているように思えるが、実際は、そうとは言い切れない。
業績を時系列で確認していくと、三越伊勢丹を含む百貨店各社の崖っぷち具合が見えてくる。